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オープンダイアローグ


「人生のある時点で、自分自身や、家族、友人、同僚などが心の問題をかかえる状況に出会うことがある。そんなとき、適切な支援を受けることができただろうか。

15秒、目を閉じて考えてみてほしい。

もしあなたが精神的な危機に陥ったとき、あってほしい完璧なメンタルヘルスのケアシステムとはどんなものだろうか。」


滞在していた場所にたまたま置いてあった本、『オープンダイアローグとは何か』を読んで以来、オープンダイアローグに強い関心を持っている。


冒頭の言葉は、以下の動画でMark Hopfenbeck氏が語っていたもの。


Open Dialogue in mental health care: From treating to talking | Mark Hopfenbeck | Thrive2020


この動画には、それまで関連するいくつかの動画や記事を読んできたなかで、わたしがオープンダイアローグに惹かれていたエッセンスが詰まっていた。これがききたかったのだ、と思った。


「ひとびとは、ただ聴いてもらいたい。聴いてくれる人が必要なのだ。」


「もっと”人間”になる、それに尽きる。」



”オープンダイアローグは、フィンランドの西ラップランド地方で生まれた新しい精神ケア手法、開かれた対話。治療が困難とされる統合失調調などの患者とその家族や関係者、医者、看護師のケアチームが、できる限り対等な立場で語り合いを続けていく。アドバイス、議論、説得をせず、対話の目的は対話自体。合意や調和ではなくポリフォニー(多声性)、異なる意見の共存を大切にする。他者を安易に自分と同一視しない。”

オープンダイアローグとは何かについて、こちらの記事が分かりやすかったので、勝手に要約。



Mark氏は、Academy of Peer-supported Open Dialogueという、ロンドンサウスバンク大学と連携した1年間の大学院レベルの講座について語っている。


この講座では、人としてオープンで本物の自分であること、そして他人を気遣い、思いやりを感じる能力を大切にしている。

自分を育みケアするためにマインドフルネスを必須の実践とし、また関係性のスキル向上のポイントとして、フレキシブル、正直、敬意をもつ、信頼に値する、自信がある、あたたかい、関心を持っている、オープンである、探究心がある、ふりかえることができる、などの資質を高めることを挙げている。


わたしは、こういうことを学びたいのだ、と思った。


わたしは、精神医療についてはほとんど何も知らない。

けれど、べてるの家の向谷地さんのお話のなかで紹介されていた「精神疾患は苦悩が最大化したもの」というイタリアの精神科医、バザーリアの言葉は想像に難くない。


「自分を語り、わかりあう力を持つ人、具体的に語れる人のストレス耐性は高い。語りの抽象化(OGM)の困難さが自殺のリスクを高めている。」熊谷晋一郎さんは言う。



自分に起きていることをみつめて、語ることができること。

それを聴いてくれる人がいること。


Mark氏は動画の最後で、

互いを気づかい、思いやりのあるコミュニティをつくる必要がある。

わたしたちの持っている関係性において、対話を実践していくことが大切なのだ。

と語っている。


Caring compassionate community.


人は、あたたかさを求めているし、愛を求めている。

けれども、それを得るのはときにとても難しい。


きっといろいろなレベルで、Caring compassionate communityを目指す方法はあるのだろう。

社会のシステムであったり、家庭や学校の教育であったり、職場や、病院や施設の現場であったり。


互いを気づかい、思いやりのあるコミュニティをつくることを邪魔しているのはなんだろう。

そんなことも考えながら、しばらくはオープンダイアローグのことを追っているだろうな、と思う。










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